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里親という選択肢

殺処分ゼロを目指す思い

里親イメージ

日本国内で飼育されているネコちゃんの数は984.7万頭(2016年、※1)と推計されています。ピーク時の995.9万頭(2014年)と比べれば微減こそしたものの、飼育頭数は堅調に推移していると言え、ここ数年減少傾向にあるワンちゃんの飼育頭数(987.8万頭、2016年)を上回る可能性が出てきました。

いわゆる「猫ブーム」にも支えられ、高い人気を見せているネコちゃん。ワンちゃんと並ぶほどの飼育頭数ですが、比べてみると大きく異なる点があります。

それは「雑種」を飼育している方が非常に多いということ。
ワンちゃんの場合は飼育されている86.8%が純血種です。ミニチュアダックスフンド、チワワ、トイプードルなど代表される純血種の人気が高いと言えます。
一方で、ネコちゃんは飼育されている84.9%が雑種です。

ネコちゃんを迎える方法の8割以上が保護・譲渡

雑種が数多く飼育されている背景は、ネコちゃんを迎える方法から考えることができます。
調査(※2)によると、2016年度(平成28年度)にネコちゃんを迎えた方々はその多くが「保護・譲渡」という方法をとっていることが特徴的です。

その詳細は、

  • 野良猫を拾った40.7%
  • 友人/知人からもらった25.4%
  • 里親探しのマッチングサイトからの譲渡9.0%
  • 愛護団体からの譲渡7.4%

と、合計すると8割を超え、購入(ペットショップ13.9%、ブリーダー4.8%)を大きく上回っています。

ワンちゃんの2倍近い施設収容数、5万頭以上多い殺処分数

ワンちゃんと同様に、ネコちゃんも保健所や動物愛護センターといった自治体が運営する施設に収容されています。

2015年度(平成27年度)の調査(※3)によると、行政施設へと収容されたネコちゃんは90,075頭。同年度、施設に収容されたワンちゃんは46,649頭ですから、2倍近くの個体が施設に収容されていることが分かります。

ワンちゃんとの違いは収容される数だけではなく、その後の処遇からも見てとれます。


【行政施設に収容された猫(犬)の処遇(2015年度)】
  • 返還数:猫345頭(犬13,220頭)
  • 譲渡数:猫22,692頭(犬16,417頭)
  • 殺処分数:猫67,091頭(犬15,811頭)

同じ年度内でも、ネコちゃんとワンちゃんの殺処分数が5万頭以上の差があることがお分かりいただけるでしょうか。

「幼齢個体」の収容数が多くなる背景

行政施設に収容されるネコちゃんの多くは「幼齢個体(離乳前の個体)」です。

  • 所有者不明で収容された幼齢個体:64%(58,012頭、2015年度)
  • 飼い主から収容された幼齢個体:7%(6,415頭、2015年度)

合算すると、幼齢個体の収容割合はおよそ7割
ワンちゃんの場合は、施設に収容された8割以上が成熟個体(離乳後の個体)ですから、大きな違いがあります。

幼齢個体の収容数が多くなる背景として考えられるのは、「野良猫」の大量繁殖です。
先述した調査において「ネコちゃんを迎える方法」でもっとも多い項目が「野良猫を拾った」であることや、行政施設に収容されるネコちゃんの多くが「所有者不明で収容された」ことからも、野良猫の多さが推測できます。

猫の繁殖力の高さを知る

猫は、人やワンちゃんと異なる方法で繁殖を行います。
人やワンちゃんの繁殖方法は「自然排卵」による仕組みで、排卵前後に運よく交尾を行えば受精し妊娠します。

一方で、猫の繁殖は「交尾排卵」という仕組みです。この仕組みでは交尾の際の刺激によって排卵が起きるため、交尾の際に受精する確率は非常に高く、交尾を行えばほぼ確実に妊娠すると言えます。

ワンちゃんは1年に1~2回・5日間ほど妊娠できるチャンスがありますが、ネコちゃんは条件が揃えば1年中妊娠が可能とされています。妊娠期間は2ヶ月ほどで、生まれた子猫が離乳する2ヶ月後には再び妊娠できる状態になります。

1回の出産で産まれる子猫の数はだいたい4~8頭ほどとされ、子猫も生後半年を経過するころには成長して、繁殖が行えるほどに成長します。

このように猫の繁殖力は非常に高く、1匹のメス猫が制限なく繁殖を繰り返した場合、3年後には2,000頭に達するという試算もあります(※4)。

野良猫を「地域猫」として管理する取り組みも

野良猫が増えると、地域ではネコちゃんの鳴き声や糞尿などによる被害が発生します。その結果、行政へ苦情が届き、施設に引き取られていく野良猫が多いのです。

そこで、野良猫の無秩序な繁殖を止めるため「TNR先行型地域猫活動」という取り組みが近年、積極的に行われております。

“TNR”とは、
「Trap」捕獲
「Neuter」不妊手術
「Return」元の場所に戻す
を意味します。

野良猫をいったん捕獲し、不妊手術を行ったうえで元いた場所に戻すことで繁殖する機会を抑え、野良猫を「地域猫」として地域住民が協力し合いながら、一代限りの生を全うさせるというこの取り組みは、今も年間67,000頭を超える猫の殺処分を減らすための先進的な取り組みとして注目を集めています。

年々広がる「里親」の選択肢-成猫を迎えるメリットも考えてみよう

近年、日本ではネコちゃんを迎える手段として、保護されたネコちゃんの「里親になる」という選択肢が広がりつつあります。

行政施設や動物愛護団体が主催して定期的に開催される譲渡会のほか、里親を探すためのマッチングサイトなどWebサービスを活用した譲渡活動の動きも出てきました。

保護されたネコちゃんの多くは子猫であることが多いですが、なかには成猫もいます。
子猫ならではのかわいさや、「子猫から飼わないとなつきにくいのでは?」という声もありますが、成猫から飼うメリットも考えてみましょう。

成猫を飼う最大のメリットは、飼育のしやすさです。成猫は性格形成が進んでいることが多く、性格の判定がしやすいため、ネコちゃんが持つ性格と向き合いながら飼育ができます。
また、エネルギッシュな子猫と比べて、落ち着いている点も飼いやすさに繋がるのではないでしょうか。

●成猫を飼いたいと思ったら? > 成猫を飼うことのメリット・デメリット

「殺処分ゼロ」を目指して

みんなの子猫ブリーダーを運営する、株式会社シムネットでは「ペットにやさしい共生社会の発展に貢献する」ことを経営理念として、事業を展開しています。

心からネコちゃんを迎えたい方々と、熱心にネコちゃんを育てる優良なブリーダーの橋渡し役となる「みんなの子猫ブリーダー」、大切なネコちゃんの健康を考えたフードや快適な生活を実現するペット用品を販売する「みんなのペット健康専門店」などの各グループサイトに加え、2017年には里親を募集する方と希望する方をつなぐ里親マッチングサイト「hugU」(ハグー)をオープンしました。

「家族の一員となったネコちゃんが、大切に育てられて幸せに生きていく」ために、みんなの子猫ブリーダーをこれまで運営して参りましたが、hugUのオープンにより、ネコちゃんが終生幸せに暮らしていくためのサポート役をより広く担えると私たちは考えています。

どんな動物も幸せになれるように。
動物の命を尊重し、大切にできる豊かな社会の実現を目指して、これからもさまざまな取り組みを行っていきます。

「動物の殺処分のない、豊かな社会をつくる」という思いは、私たちも同じです。

【参考】
※1:一般社団法人ペットフード協会
「平成28年 全国犬猫飼育実態調査」内
「Ⅱ.主要指標 サマリー - 犬猫 現在飼育率、平均飼育頭数、飼育頭数(拡大推計)」より
http://www.petfood.or.jp/data/chart2016/2.pdf
※2:一般社団法人ペットフード協会
「平成28年 全国犬猫飼育実態調査」内
「Ⅲ.調査結果の詳細 - ペットの入手先_年代別」より
http://www.petfood.or.jp/data/chart2016/3.pdf
※3:環境省
「犬・猫の引取り及び負傷動物の収容状況」より
http://www.petfood.or.jp/data/chart2016/3.pdf
※4:さいたま市
「猫は繁殖力の強い動物です」内
「猫は繁殖力の高い動物です」より
http://www.city.saitama.jp/008/004/003/002/p040242.html
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