あまり鳴かない猫の種類

猫のなかには、あまり鳴かない猫がいます。もちろん“鳴かない”といっても、まったく鳴かないというわけではありません。ただ鳴いてなにかを要求する、興奮すると鳴くという習性があまりない、または鳴いても小さな声なのであまり気にならない、という猫種は存在します。
性格や生活環境によっても猫の鳴く・鳴かないは変わってきますが、ここでは、もともとあまり鳴かないといわれる猫種をご紹介します。
性格や生活環境によっても猫の鳴く・鳴かないは変わってきますが、ここでは、もともとあまり鳴かないといわれる猫種をご紹介します。
ロシアンブルー

エメラルドグリーンの瞳に、ベルベットのような毛並みが美しいロシア原産の猫種。キリっとした顔立ちをしていますが、穏やかで“犬のような性格の猫”といわれるほど飼い主に従順です。おとなしく鳴き声を上げることが少ないことから「ボイスレス・キャット」とも呼ばれています。
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シャルトリュー

ブルーグレーの被毛が美しく、口角の上がった口元が笑っているように見えることから「微笑みの猫」とも呼ばれています。
人懐こい性格でしつけがしやすく、飼いやすい猫種でもあります。愛玩用を目的に品種改良された猫種であるため非常に小さくかわいらしい鳴き声で、騒ぐようなことはめったにありません。
人懐こい性格でしつけがしやすく、飼いやすい猫種でもあります。愛玩用を目的に品種改良された猫種であるため非常に小さくかわいらしい鳴き声で、騒ぐようなことはめったにありません。
アビシニアン

グラデーションの毛並みと大きな耳、「クレオパトラライン」といわれるアイラインが特徴の猫。ワイルドかつ気品ある見た目ですが、実はとても甘えん坊な性格です。
アビシニアンの場合は“鳴かない”のではなく、鈴を鳴らしたように小さく美しい声であることから鳴き声で飼い主が悩むことが少ないようです。
アビシニアンの場合は“鳴かない”のではなく、鈴を鳴らしたように小さく美しい声であることから鳴き声で飼い主が悩むことが少ないようです。
エキゾチックショートヘア

短毛種、いわゆる鼻ぺちゃ猫の代表格であるエキゾチックショートヘア。ペルシャの血を引く温和で愛情深い性格で、飼い主とのコミュニケーションも大好きです。
好奇心旺盛な性格をもち合わせているため、活発な面を見せることがありますが、鳴いて要求するようなことはほとんどありません。
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好奇心旺盛な性格をもち合わせているため、活発な面を見せることがありますが、鳴いて要求するようなことはほとんどありません。
ペルシャ

優雅でゴージャスな毛並みを持ち、「猫の王様」と称される猫。そのビジュアル通り非常に落ち着いた性格から、飼いやすい猫として人気です。
元気に遊びまわるより静かにゆっくり過ごすことを好むので、鳴き声をあげたりいたずらをして飼い主を困らせたりすることも少ないでしょう。
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元気に遊びまわるより静かにゆっくり過ごすことを好むので、鳴き声をあげたりいたずらをして飼い主を困らせたりすることも少ないでしょう。
ヒマラヤン

ペルシャとシャムの交配によって誕生した猫種で、人懐こく活発な面を持ちながらも基本的には穏やかでのんびりした性格。
シャムは大きい鳴き声で比較的よく鳴きますが、ヒマラヤンは鳴くことが少なく、要求があるときは体をすり寄せてくるといったボディランゲージで表現します。
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シャムは大きい鳴き声で比較的よく鳴きますが、ヒマラヤンは鳴くことが少なく、要求があるときは体をすり寄せてくるといったボディランゲージで表現します。
スコティッシュフォールド

前に倒れた小さな耳と丸い目、丸いフェイスラインがキュートな日本で高い人気を誇る猫種。見た目のかわいらしさだけでなく、おとなしくて賢く、順応性が高い性格も人気の理由です。
飼い主に、鳴き声でなにかを訴えるということは少ないでしょう。好奇心旺盛で活発な面があるので、遊びを通して関係を築くことで、さらに落ち着きのある猫に成長してくれます。
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飼い主に、鳴き声でなにかを訴えるということは少ないでしょう。好奇心旺盛で活発な面があるので、遊びを通して関係を築くことで、さらに落ち着きのある猫に成長してくれます。
サイベリアン

極寒のシベリア地域で生まれた猫で、「サイベリアン・フォレスト・キャット」とも呼ばれます。体格は猫のなかでも最大級で、10kgを軽く超える個体も存在しています。
トリプルコート(三層)に分かれた分厚い被毛、がっしりした四肢や筋肉で、寒冷地対応は万全です。
なにか要求があるときは、大きな体からは想像できないかわいらしい声で鳴きます。
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トリプルコート(三層)に分かれた分厚い被毛、がっしりした四肢や筋肉で、寒冷地対応は万全です。
なにか要求があるときは、大きな体からは想像できないかわいらしい声で鳴きます。
鳴かない猫の特徴

よく鳴く猫、あまり鳴かない猫の違いはなんなのでしょうか。ここでは鳴かない猫の主な特徴をご紹介します。
猫が鳴くのにはなんらかの理由があり、鳴くことが少ないといわれる猫種であっても避妊手術の有無や、猫の性格で違いがあることは認識しておきましょう。
猫が鳴くのにはなんらかの理由があり、鳴くことが少ないといわれる猫種であっても避妊手術の有無や、猫の性格で違いがあることは認識しておきましょう。
おおらかな性格
おおらかな性格の猫はマイペースに過ごすことが多いので、周りの人間や環境に影響されることがあまりありません。警戒や興奮することが少ないと、鳴くことも少ないようです。
長毛種の猫
長毛種の猫はおっとりした性格をしていることが多く、あまり鳴かない傾向にあります。とはいえ、ロシアンブルーやアビシニアンなど、短毛種のなかにも鳴くことの少ない種類は存在します。
鼻ぺちゃ猫(短頭種)
鼻ぺちゃ猫も、温和で平和的な気質をもちます。運動量が少ないのも鼻ぺちゃ猫の特徴ですが、普段からのんびり過ごすのを好むことも鳴かない理由となっているのでしょう。
保護猫(もともと外にいた猫)
野良猫は、むやみに鳴き声をあげてしまうと敵に見つかってしまう可能性もあることから、発情期やけんかのとき以外はほとんど鳴きません。
猫同士のコミュニケーションは基本的に視線やしぐさ、スキンシップなどででおこない、鳴き声でおこなうことは少ないようです。そのため、元野良猫で保護された猫は鳴かない子が多いのです。
ただし警戒心が強いため、恐怖や不快感を感じたときに、威嚇のために「シャー」という声を発することがあります。
そういうときは、猫を落ち着かせてあげるためにも無理に近寄らずにそっとしておいてあげましょう。
猫同士のコミュニケーションは基本的に視線やしぐさ、スキンシップなどででおこない、鳴き声でおこなうことは少ないようです。そのため、元野良猫で保護された猫は鳴かない子が多いのです。
ただし警戒心が強いため、恐怖や不快感を感じたときに、威嚇のために「シャー」という声を発することがあります。
そういうときは、猫を落ち着かせてあげるためにも無理に近寄らずにそっとしておいてあげましょう。
猫の鳴き方の特徴と鳴く理由

言葉を話すことができない猫にとって、鳴くという行為は自分の気持ちを伝える大事な手段。鳴いたからといって「うるさい!」と叱りつけるばかりでも、効果はあまり期待できません。
愛猫が鳴く理由や鳴き方の特徴を知り、正しく対処することで飼い主と猫との絆が深まり、無駄に鳴いたり鳴きやまなかったりといった問題行動の解決につながることがあります。
愛猫が鳴く理由や鳴き方の特徴を知り、正しく対処することで飼い主と猫との絆が深まり、無駄に鳴いたり鳴きやまなかったりといった問題行動の解決につながることがあります。
飼い主になにかを要求している
ご飯やおやつをおねだりして、「ニャーニャー」と鳴くことがあります。「トイレをきれいにしてほしい」「遊んでほしい」などの理由で鳴くこともあるでしょう。
そのときのシチュエーションから、猫がなにを要求しているのかを考えます。そのためには、日頃から猫の行動をよく観察しコミュニケーションを取ることが大切です。
要求がわかったあとの対応も大切です。「水がない」「トイレが汚れている」など対応すべき要求であれば、応じてあげましょう。ただし、どのような要求にも即座に応じていると、要求鳴きはエスカレートします。
そのときのシチュエーションから、猫がなにを要求しているのかを考えます。そのためには、日頃から猫の行動をよく観察しコミュニケーションを取ることが大切です。
要求がわかったあとの対応も大切です。「水がない」「トイレが汚れている」など対応すべき要求であれば、応じてあげましょう。ただし、どのような要求にも即座に応じていると、要求鳴きはエスカレートします。
あいさつしている
猫のそばに行ったときや構ってあげているときに、短く「ニャッ」と鳴くのはあいさつの可能性があります。猫によっては、名前を呼ばれて返事の意味で鳴くことも。マイペースで普段は我関せずという印象の猫ですが、こんなに愛らしい一面があるんです!
けれど、強い口調で発せられる「ニャッ」には、「放っておいてほしい」という気持ちの可能性もあるのでご注意を。そんなときはなでたり構ったりという行為をやめて、そっとしておいてあげましょう。
けれど、強い口調で発せられる「ニャッ」には、「放っておいてほしい」という気持ちの可能性もあるのでご注意を。そんなときはなでたり構ったりという行為をやめて、そっとしておいてあげましょう。
不安・不満がある
低い声で「ミャーオ」「ニャーオ」と鳴くのは、不安や不満を訴えている可能性があります。「お腹がすいた」「退屈している」「飼い主を探している」「お気に入りの場所に障害物が置かれている」など、なにを主張しているかは毎日猫を観察していればそのシチュエーションから理解することができるでしょう。
甘えている
「ミャー」「ニャーン」など子猫が母猫に甘えるようなかわいらしい鳴き声は、飼い主さんへの甘え鳴きです。
聞き取れないほどの小さな声で「ニャー」と発したり、口パクのように鳴くしぐさをみせることもあります。声を出さず口を開けるのは「サイレントニャー」といわれ、子猫が母猫におこなう鳴き方。飼い主さんへの親愛の情を示しているのでしょう。
聞き取れないほどの小さな声で「ニャー」と発したり、口パクのように鳴くしぐさをみせることもあります。声を出さず口を開けるのは「サイレントニャー」といわれ、子猫が母猫におこなう鳴き方。飼い主さんへの親愛の情を示しているのでしょう。
痛い・苦しい
瞬間的に強い痛みを感じた時、「ギャッ」「ギャー」と強く叫ぶことがあります。間違って尻尾や手足を踏んでしまった時、痛みのある箇所を触られたときなどに発する声です。
また、風邪などで体調が悪く弱っているときはかすれ声で鳴いたり、ゼロゼロとした雑音が混ざったりすることがあります。どちらも見過ごしてはいけない鳴き方なので、ほかに症状がないか確認して早めに病院を受診するようにしましょう。
また、風邪などで体調が悪く弱っているときはかすれ声で鳴いたり、ゼロゼロとした雑音が混ざったりすることがあります。どちらも見過ごしてはいけない鳴き方なので、ほかに症状がないか確認して早めに病院を受診するようにしましょう。
発情期を迎えている
普段の「ニャー」という鳴き声ではなく、「あおーん」と大きな声で鳴き続けるのは発情期を迎えているサイン。
メスの方がよく鳴き、オスが鳴く場合はメスの鳴き声に応えている場合が多いといわれています。発情期は春~夏がピークで、年に2~3回ほどやってきます。
去勢・避妊手術をおこなうことで、収まるケースがほとんどです。
メスの方がよく鳴き、オスが鳴く場合はメスの鳴き声に応えている場合が多いといわれています。発情期は春~夏がピークで、年に2~3回ほどやってきます。
去勢・避妊手術をおこなうことで、収まるケースがほとんどです。
猫を鳴かせないようにすることはできる?

猫が鳴くのは、本能やコミュニケーションの手段だということをご説明しました。しつけ、人間と生活するうえでは、問題となってくることもありますよね。
近所迷惑になりそうなほど大きな鳴き声を上げる場合や、ひっきりなしに鳴いて飼い主さんのストレスになってしまうな場合は、対策を講じるべきでしょう。
近所迷惑になりそうなほど大きな鳴き声を上げる場合や、ひっきりなしに鳴いて飼い主さんのストレスになってしまうな場合は、対策を講じるべきでしょう。
去勢手術・避妊手術をする
発情期を迎えると、メスの猫は独特の大きな鳴き声をあげます。オスの猫はメスほどではないにしろ、メスの声や気配に反応してやはり鳴くことがあります。ほかの猫と出会う機会のない飼い猫は、発情期が過ぎるまで鳴き続けることになります。
残念ながらこれは叱ったり、しつけたりすることで対策することは難しいでしょう。何度も叱ると、それがストレスとなり、鳴く行為がエスカレートする可能性もあります。
手術をすれば、発情期に鳴く行為は抑えられます。去勢・避妊手術では、オスもメスも予防できる病気があります。繁殖を望まないのであれば、手術はおこなった方がいいでしょう。
残念ながらこれは叱ったり、しつけたりすることで対策することは難しいでしょう。何度も叱ると、それがストレスとなり、鳴く行為がエスカレートする可能性もあります。
手術をすれば、発情期に鳴く行為は抑えられます。去勢・避妊手術では、オスもメスも予防できる病気があります。繁殖を望まないのであれば、手術はおこなった方がいいでしょう。
コミュニケーションをとる・運動をさせる
マイペースでツンデレな猫ですが、飼い主さんとのコミュニケーションはとても大事。留守番が多い、構ったり遊んであげたりすることが少ない場合、運動不足や暇を持て余している可能性もあります。そんなストレスや寂しさから鳴き癖がついてしまうこともあるのです。
触れ合いや遊びでスキンシップを取り、ストレスがたまらないようにしてあげましょう。
触れ合いや遊びでスキンシップを取り、ストレスがたまらないようにしてあげましょう。
要求鳴きに応じない
猫が鳴くのを止めるために、全ての要求に応えるのはよくありません。猫は「鳴いたら、いうことを聞いてもらえる」と学習し、要求鳴きがエスカレートすることも……。猫の要求が正当なものであるかを判断し、しつけのためには我慢させることも必要です。
犬のように言葉と連動してしつけることは、猫に対しては難しいといわれています。ただ猫は、経験を積み重ねることで学習していくことのできる動物です。応じるべき要求ではないと判断した場合には、一貫して無視するといいでしょう。
犬のように言葉と連動してしつけることは、猫に対しては難しいといわれています。ただ猫は、経験を積み重ねることで学習していくことのできる動物です。応じるべき要求ではないと判断した場合には、一貫して無視するといいでしょう。
甘え鳴きに反応しない
かわいい鳴き声で呼ばれると、つい反応したくなりますがここは我慢! 要求鳴き同様、毎度応えてしまっていては、猫がどんどんわがままになるだけです。
効果的なのは、無視すること。返事をしたり猫を見たりせずにまるで鳴き声が聞こえていないかのように振る舞うことで、猫は「鳴いても意味がない」と学習します。
効果的なのは、無視すること。返事をしたり猫を見たりせずにまるで鳴き声が聞こえていないかのように振る舞うことで、猫は「鳴いても意味がない」と学習します。
【番外編】よく鳴く猫種

あまり鳴かない猫種がいれば、反対によく鳴く猫種もいます。ここでは「おしゃべり」といわれる猫種をご紹介します。
シャム(サイアミーズ)

現在のタイにルーツをもつとされる猫種で、海外ではサイアミーズ、日本ではシャムとして知られています。青い瞳にシルクのような毛並み、しなやかな体はまさに芸術品のようです。
気品あふれるサイアミーズですが、性格は社交的で、とてもおしゃべり好きです。家族と遊ぶことも大好きで、猫のなかでは寂しがりやな性格といえます。
気品あふれるサイアミーズですが、性格は社交的で、とてもおしゃべり好きです。家族と遊ぶことも大好きで、猫のなかでは寂しがりやな性格といえます。
ベンガル

野生のヒョウのような模様がとても美しいベンガル。「ベンガルヤマネコ」とイエネコの交配により生まれた猫種ですが、性格は穏やかで人懐っこいとされています。
飼い主とのおしゃべりを好み、いわれたことに対して返事をしたり、コマンドを覚えて反応したりすることもあるようです。
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飼い主とのおしゃべりを好み、いわれたことに対して返事をしたり、コマンドを覚えて反応したりすることもあるようです。
まとめ

性格や猫種によって、鳴くことの少ない猫はいます。しかし、まったく鳴かないという猫は存在しません。飼い主を困らせるような鳴き方は問題ですが、猫のかわいらしい鳴き声を聞くだけで癒されることもあります。
住宅環境などの理由で猫の鳴き声が心配な人は、今回の記事を参考にしてみてくださいね。また、猫の鳴く行為は飼い主さんとのコミュニケーションやしつけにも影響されるものであることは覚えておきましょう。
住宅環境などの理由で猫の鳴き声が心配な人は、今回の記事を参考にしてみてくださいね。また、猫の鳴く行為は飼い主さんとのコミュニケーションやしつけにも影響されるものであることは覚えておきましょう。