楽しい・うれしいときのしっぽの動き
猫は、感情に合わせてさまざまなしっぽの動きを見せます。猫が楽しい、うれしいなどポジティブな気持ちでいるとき、しっぽはどのような動きをするのでしょうか?
くねらせる
しっぽをくねくねと動かしながら近づいてくることがあります。これはワクワクしているときに見せる動きで、飼い主に「遊ぼうよ!」と誘っているサインです。
しっぽをくねらせながらすり寄ってきたら、たくさん遊んであげると喜ぶでしょう。
しっぽをくねらせながらすり寄ってきたら、たくさん遊んであげると喜ぶでしょう。
先端を曲げる
ピンと立ったしっぽの先端だけをS字に曲げているときも、くねらせる動きと同様に遊んでほしい気持ちを表していることがあります。
飼い主の帰宅時などに猫がお出迎えしてくれたときにも、しっぽの先だけが曲がっていることがあります。これは「おかえり」というあいさつの気持ちを表現しているので、「ただいま」と応えてあげるといいでしょう。
実は、猫がしっぽの先端だけを曲げるのは、大好きな人にだけ見せる猫の愛情表現。飼い主にとっては、うれしいサインですね。
飼い主の帰宅時などに猫がお出迎えしてくれたときにも、しっぽの先だけが曲がっていることがあります。これは「おかえり」というあいさつの気持ちを表現しているので、「ただいま」と応えてあげるといいでしょう。
実は、猫がしっぽの先端だけを曲げるのは、大好きな人にだけ見せる猫の愛情表現。飼い主にとっては、うれしいサインですね。
ピンと立てる
しっぽを真上にピーンと立てているときは、うれしい気持ちやワクワクする気持ち、甘えたい気持ちを表しています。
遊んであげたとき、ごはんやおやつをあげたときであれば、うれしい気持ちを表現しているのでしょう。
しっぽをピンと立てながらすり寄ってくるのは、猫が飼い主に甘えたいと思っているときです。声をかけながら、優しくなでてあげてくださいね。
遊んであげたとき、ごはんやおやつをあげたときであれば、うれしい気持ちを表現しているのでしょう。
しっぽをピンと立てながらすり寄ってくるのは、猫が飼い主に甘えたいと思っているときです。声をかけながら、優しくなでてあげてくださいね。
安心しているときのしっぽの動き
次に、猫が安心しているとき、リラックスしているときのしっぽの動きを紹介しましょう。
ゆっくりと大きく振っている
寝転んでいるとき、窓辺などのお気に入りの場所から外を眺めているとき、しっぽを大きくゆっくりと振っていることがあります。これは猫の機嫌がよく、とてもリラックスしている状態を表しています。
のんびりと自分の時間を満喫しているので、声をかけたりなでたりせず、そっとしておいてあげましょう。
また、立ったまましっぽをゆっくりと振る動きは、何か興味のあるものを見つけたときや、少し興奮しているサインなので、この場合も邪魔をせずに見守ってあげてくださいね。
のんびりと自分の時間を満喫しているので、声をかけたりなでたりせず、そっとしておいてあげましょう。
また、立ったまましっぽをゆっくりと振る動きは、何か興味のあるものを見つけたときや、少し興奮しているサインなので、この場合も邪魔をせずに見守ってあげてくださいね。
体に巻きつけている
猫が安心しているときには、前足を隠すようにしっぽを緩く巻きつけることがあります。ゆったりとした気持ちでいるサインなので、そっとしておいたほうがいいでしょう。
一方で、猫は警戒心を抱いているときや寒いときの防寒としてしっぽを体に巻きつけることもあります。しっぽの動きを見るときは、どんな状況にあるのかも合わせて確認してみてください。
一方で、猫は警戒心を抱いているときや寒いときの防寒としてしっぽを体に巻きつけることもあります。しっぽの動きを見るときは、どんな状況にあるのかも合わせて確認してみてください。
怒っている・威嚇しているときのしっぽの動き
猫が怒っているときは、そっとしておくのが吉。興奮状態にあるので、なでたり構ったりすると引っかかれたり、噛みつかれたりすることがあります。
膨らませて毛を立たせる
しっぽの毛がタワシのように逆立って大きく膨らんでいるときは、恐怖心や警戒心があり、攻撃態勢をとっています。初対面の来客や知らない猫など、縄張りに侵入してきた者に体を大きく見せることで強さをアピールしているのです。
はじめて見るものが多い子猫や神経質な猫によく見られる動きですが、気が立っている状態なので、猫に危険が及ぶ可能性がなければ見守ってあげるのがいいでしょう。
はじめて見るものが多い子猫や神経質な猫によく見られる動きですが、気が立っている状態なので、猫に危険が及ぶ可能性がなければ見守ってあげるのがいいでしょう。
大きく床をたたくように振る
しっぽを勢いよくバタバタと振るのは、イライラしている気持ちを表しています。同居猫とのケンカのあとやのんびりしたいのにしつこく触られたときなどに見せる動きです。
もし、抱っこ中にバタバタとしっぽを動かしていたら、嫌がっているサインなのですぐに降ろしてあげましょう。
もし、抱っこ中にバタバタとしっぽを動かしていたら、嫌がっているサインなのですぐに降ろしてあげましょう。
悲しいとき・おびえているときのしっぽの動き
悲しい、怖い、元気がないなど猫がネガティブな気持ちのとき、しっぽは全体的に下がりがちになります。
だらんと下げている
しっぽを力なくだらんと下げるのは、悲しい気持ちを表しています。飼い主に叱られたあとによく見られる姿です。猫がしょんぼりしているときは、声をかけてなぐさめてあげたいですね。
注意したいのは、原因がわからず常にしっぽが下がっているとき。体調不良など元気がないときにもしっぽが下がるので、食欲の有無や気になる症状がないか観察してください。普段と様子が違うのであれば、早めに動物病院に連れて行くと安心です。
注意したいのは、原因がわからず常にしっぽが下がっているとき。体調不良など元気がないときにもしっぽが下がるので、食欲の有無や気になる症状がないか観察してください。普段と様子が違うのであれば、早めに動物病院に連れて行くと安心です。
足の間にしまう
しっぽを後ろ足の間に挟むようにするのは、恐怖心があるとき。
「攻撃しないで」という気持ちを相手に伝える防御態勢です。しっぽを隠し、自分の体をなるべく小さく見せようとしているのです。
同居猫とのケンカに負けたときや大きな音がしたとき、急な来客があったときなどに見られる動きです。
怖がっている猫を見ると思わず抱きあげたくなるかもしれませんが、むやみに構うことはせず、静かな場所に誘導して気持ちを落ち着かせてあげましょう。
「攻撃しないで」という気持ちを相手に伝える防御態勢です。しっぽを隠し、自分の体をなるべく小さく見せようとしているのです。
同居猫とのケンカに負けたときや大きな音がしたとき、急な来客があったときなどに見られる動きです。
怖がっている猫を見ると思わず抱きあげたくなるかもしれませんが、むやみに構うことはせず、静かな場所に誘導して気持ちを落ち着かせてあげましょう。
猫のしっぽはどんな役割がある?
かわいいチャームポイントでもある猫のしっぽですが、先に紹介したように気持ちを表す役割に加え体のバランスを保ったり、寒さから身を守ったりする役割もあります。
ここでは、猫のしっぽが持つ4つの役割について解説します。
ここでは、猫のしっぽが持つ4つの役割について解説します。
バランスを保つ
高い所に上ったり下りたり、柵の上や塀の上などの狭い場所を走ったり、猫には驚くほど優れたバランス感覚があります。このバランス感覚を保っているのが、しっぽです。
しっぽを振ることで体をコントロールすることで、バランスを崩すことなく素早い動きを可能にしています。
しっぽを振ることで体をコントロールすることで、バランスを崩すことなく素早い動きを可能にしています。
気持ちを表す
先に紹介したように、しっぽは猫の感情を表現するコミュニケーションツールの一つ。しっぽの動きでうれしい、悲しい、怖いなどといった猫の気持ちを知ることができます。
寒さ対策
童謡『雪やこんこ』の歌詞に「猫はこたつで丸くなる」というフレーズがあるように、猫は寒さが苦手な動物。猫の祖先はもともと砂漠地帯の暑い地域に住んでいたといわれており、その遺伝子を受け継いでいる猫は寒さに弱い傾向にあります。
しっぽには、寒さを和らげる防寒具としての役目もあります。しっぽに顔をうずめて丸くなっている姿は、寒い時期によく見られる行動です。
しっぽには、寒さを和らげる防寒具としての役目もあります。しっぽに顔をうずめて丸くなっている姿は、寒い時期によく見られる行動です。
マーキング
猫のしっぽには「臭腺」という器官があり、マーキングのためにしっぽを使うことがあります。
縄張りを主張したいときだけでなく、飼い主を独占したいという愛情表現として、しっぽをこすりつけるしぐさをすることもあります。
縄張りを主張したいときだけでなく、飼い主を独占したいという愛情表現として、しっぽをこすりつけるしぐさをすることもあります。
猫のしっぽに触るのはNG!?
感情を表したり体のバランスを保ったり、寒さ対策としての役目もある猫のしっぽ。ふわふわしたしっぽが動いているのを見ると思わず触りたくなるものですが、むやみに触るのはNG。
最後に、猫のしっぽの扱い方について解説しましょう。
最後に、猫のしっぽの扱い方について解説しましょう。
しっぽはとてもデリケート
猫のしっぽは「尾骨神経」とつながっているため、非常にデリケート。痛みを感じやすい部位であり、猫は触られることを好みません。
しっぽを強く握ったり、引っ張ったりするのはやめましょう。また、間違ってしっぽを踏んでしまうと足に障害が出る可能性もあるので注意が必要です。
小さい子どもがいる家庭では、猫との触れ合い方を親子で共有しておくのがおすすめです。子どもが好奇心から猫のしっぽを触ったり引っ張ったりすることがないように、猫と触れ合っているときは目を離さないようにしましょう。
しっぽを強く握ったり、引っ張ったりするのはやめましょう。また、間違ってしっぽを踏んでしまうと足に障害が出る可能性もあるので注意が必要です。
小さい子どもがいる家庭では、猫との触れ合い方を親子で共有しておくのがおすすめです。子どもが好奇心から猫のしっぽを触ったり引っ張ったりすることがないように、猫と触れ合っているときは目を離さないようにしましょう。
ブラッシングの注意点
ブラッシングは背中など、触られても嫌がらない部分からはじめましょう。触られたくない場所からおこなうと、ブラッシング嫌いになってしまうことがあります。
敏感で触られるのを嫌がりがちなしっぽのブラッシングは、最後に素早く済ませるのがおすすめです。
毛玉のできやすいしっぽの付け根は丁寧にブラッシングする必要がありますが、力加減に注意してください。
万が一、毛玉ができていたら、強く引っ張ったり無理にほぐそうとしたりせず、ハサミで慎重にカットするかトリミングサロンでバリカンなどで剃ってもらうのがよいでしょう。
敏感で触られるのを嫌がりがちなしっぽのブラッシングは、最後に素早く済ませるのがおすすめです。
毛玉のできやすいしっぽの付け根は丁寧にブラッシングする必要がありますが、力加減に注意してください。
万が一、毛玉ができていたら、強く引っ張ったり無理にほぐそうとしたりせず、ハサミで慎重にカットするかトリミングサロンでバリカンなどで剃ってもらうのがよいでしょう。
まとめ
さまざまな感情を表現する猫のしっぽ。しっぽが示す意味を知ることで、猫の気持ちをもっとくみ取ることができるようになります。ぜひ、愛猫とのコミュニケーションに役立ててみてください。また、しっぽは体のバランスを保ったり寒さから身を守ったりする役目があり、非常にデリケートな部位でもあります。むやみに触らないように気を付けましょう。