キャットショーとは

国内外でさまざまな団体が、純血種の保全と普及を目的にキャットショーを開催しており、エントリーする猫のブリーダーや飼い主だけでなく、一般の方も見学することができます。
▲【写真】審査をおこなうのは、『ジャッジ』と呼ばれる各猫種登録団体の認定審査員たち
日本最大級のジャパンキャットショー
歴史ある2大血統書団体であるCFAとTICAによるキャットショーが同時に楽しめるのは、『ジャパンキャットショー』だけです。
CFA:1906年に米国で創立された世界最大の愛猫協会として活動する非営利団体
TICA:1979年に米国で創立された純血種および家庭猫の世界最大の血統登録機関
キャットショーの楽しみ方

キャットショーの見どころ3つ
1 普段目にすることのできない品種の猫を見ることができる
2 それぞれの猫種のスタンダードを知ることができる

3 猫のプロ、ブリーダーの仕事がわかる
一般の飼い主さんもエントリー可能!
キャットショーの流れや見学方法について、2023年に開かれた『ジャパンキャットショー2023』を例にご説明します。
ジャパンキャットショー2023リポート

ロイヤルカナン ジャポン社主催の本イベントは、今年で3回目の開催。ショーの内容について、主催者代表などのインタビューを交えて詳しくリポートします!
▲【写真】フロア内はTICA・CFAの審査会場に分かれ、ショーが同時進行している。
来場・オンライン合わせて5,700名がイベントを見学
主催者であるロイヤルカナン ジャポン社の山本社長は、「ショーを通じて猫の魅力、猫の真の健康について多くの人に知ってもらいたい」と語ります。
キャットショーの開催をはじめ、品種ごとの健康ニーズに沿ったフードの開発、専門家への啓発活動を積極的に展開する同社が目指す世界について、山本社長にお話しをうかがいました。

私たちは、<ペットにとってより良い世界を作る>というパーパス(存在意義)を掲げ、<ペットの真の健康を実現すること>を目指しています。
真の健康とは、毛吹き・毛ヅヤ・皮膚の状態・身のこなし・目の輝きを含めて、その子が本来もつ美しさが引き出された状態のこと。それを実現するには、ペットオーナーの方が、ペットについて正しい知識を持ち、適切に行動していただくことが大切なので、専門家(ブリーダーさんや獣医師さん)のお力を借りて日々啓発に努めています。
キャットショーでは、品種ごとに異なる美しさを誇る猫たちが一堂に会します。来場者のみなさまには、健やかで個性あふれる猫たちの魅力と、その魅力が健康によって支えられているということを知ってもらえたらうれしいですね。
CFA・TICAによる同時開催
CFA・TICAそれぞれのリジョンディレクターを務めるおふたりに、「キャットショーにかける想い」をお聞きしました。

TICAが公認している品種は73種類、品種それぞれに評価の基準が異なり、ジャッジは頭の形、耳の形、目の大きさや色、毛色やテクスチャ―(手触り)など細かくポイントをつけていきます。厳正な審査をするために、ジャッジはすべてを勉強し毎年更新テストを受けるのです。
ショーを通じて、純血種の良さ、グルーミングの重要性を知ってほしいです。また、欧米ではハウスホールドの出陳数が50頭などと多いのですが、日本は少ないので、もっともっと挑戦してほしいな、と思っています。

猫にはそれぞれあるべき姿(スタンダード)があり、それを崩すことなく大切に守るのが私たちの役割です。ブリーダーさんは、それぞれ品種の良さを引き出すために努力を重ねており、その成果を発表する場がキャットショーなのです。
ショーを見に来られた方には、ショーキャットたちの猫種本来の美しさを見ていただきたいですね。そして、お手入れやフード選びの重要性について考えるきっかけになればと思います。
ショーキャットの落ち着きにも目を向けてほしいです。性格も評価対象になり、穏やかで人なれしていることが求められます。家庭の猫ちゃんも子猫のうちから周囲の人間に抱かせたり、ケージに慣れさせたりすることで、落ち着きのある子に訓練することが可能なんですよ。
ショーの内容と見学方法
さらに特設サイトからLIVE配信もおこなわれ、一部のステージプログラムやキャットショーの解説を見ることができます。

開催時間 | 10:00~17:00 |
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入場料 | 前売り券800円/当日券1,000円 |
取り扱い先 | チケットぴあ、イープラス、Peatix |
審査の流れ
審査は1~3次まであり、勝ち抜きのような形でファイナルに進む猫が決まります。ジャッジの評価はリボンの色でわかるようになっています。ファイナルは決勝戦のような形で、トップ10位までの猫が参加します。

部門ごとの審査
【CFA】
子猫部門 | 8カ月未満の猫が対象のクラス |
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成猫部門 | 生後8カ月齢以降で去勢避妊手術をしていない猫が対象のクラス |
去勢避妊猫部門 | 生後生後8カ月齢以降で去勢避妊手術をしていない猫が対象のクラス |
ベテラン部門 | 生後7歳以上の猫が対象のクラス |
家庭猫 | 家庭猫は4カ月~ |
KITTEN(子猫) | 生後4カ月~8カ月未満の血統登録済み子猫 |
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CAT(成猫) | 8カ月以上の血統登録済み成猫 |
ALTER(去勢したオスまたは避妊したメス) | 8カ月以上の血統登録済み成猫 |
HHP(家庭猫・子猫部門と大人部門) | 血統登録されていない猫や品種のスタンダードを満たしていない猫など |
ショーのクライマックスであるファイナル審査の一部を見学
CFAでは5頭、TICAでは10頭の猫たちがメインステージに集められ、そのなかで順位発表がおこなわれました。ジャッジは順位を発表しながら、それぞれの猫についてどこが評価ポイントとなったのかを解説をしていきます。KITTEN(子猫)クラス1位の猫が掲げられると、会場からは感嘆の声が。
CFA KITTEN(子猫)クラスの1位となったメインクーン

「子猫らしからぬ、長方形の長く大きな体、シャギー(不揃いな長さ)の入った豊かな被毛、
大きな目と耳、横顔はなだらかなカーブを描き、口吻はしっかりしている」
TICA KITTEN(子猫)クラスの1位となったベンガル

「ワイルドキャットから作出した猫でありながら穏やかな気質をしている。ミンクのような滑らかな被毛、地色に対してはっきりとしたコントラストをもったロゼット(濃淡のある2色で構成されるヒョウのような柄)模様を持っている」
ショー以外のお楽しみも盛りだくさん
学べるステージ
猫がかかりやすい病気のサインと予防法について獣医師が解説したり、愛猫を素敵に撮影するコツをペットカメラマンがレクチャーしたりと、バラエティに富んだ内容が楽しめます。

家の中で撮るときは、窓の光をうまく使うとよいですね。光は真正面から当てるとペタッとして見えるので、斜め前から後ろにかけて当てるのがコツ、窓際に猫ちゃんを置いて、サイドから光が当たるようにすると適度な陰影が作れます。
猫ちゃんは飽きっぽいので、撮影は3回ぐらいでキメたいところ。基本は連射、猫じゃらしを目で追わせたら、カメラのすぐ上あたりに猫じゃらしをさっと手早く引くと、猫の視線をカメラに合わせることができますよ。
フォトコンテスト

楽しみながら猫のことを学べるクイズラリー
猫グッズを販売するショップコーナー
まとめ

ブリーダーが手塩にかけて育てたショーキャットたちの美しさは圧巻です。ベテランジャッジが説明する猫種特有のチャームポイントを耳にすれば、猫の魅力の奥深さを知ることができるでしょう。
猫が好き、猫のことをもっと知りたいと思っている人は、ぜひ一度足を運んでみてほしいイベントです! 美しい猫たちに魅了されながら、あなたのお気に入りの猫種を見つけてみては?