猫の社会化期はいつ?
「社会化」とは子猫がほかの猫や人間、環境に慣れ、柔軟な対応力を身に付けていくことを指します。猫の社会化期は生後2~7週齢とされ、犬の社会化期(生後3~13週齢)と比べて短いのが特徴です。
社会化期には人と触れ合ったり、猫同士で遊ばせたりするほか、爪切りやキャリーバッグ、ブラッシングなど一緒に生活するうえで必要なものに慣れさせることも重要です。性格形成にも大きく影響するこの時期に、適切な経験を積むことで、さまざまな状況に対応できるようになります。
社会化期には人と触れ合ったり、猫同士で遊ばせたりするほか、爪切りやキャリーバッグ、ブラッシングなど一緒に生活するうえで必要なものに慣れさせることも重要です。性格形成にも大きく影響するこの時期に、適切な経験を積むことで、さまざまな状況に対応できるようになります。
社会化がすすんだ子猫を迎えるには
動物愛護管理法により、生後8週齢未満の子猫は販売が禁止されています。そのため、ブリーダーやペットショップから迎える際には、社会化期がすでに終わっていることが一般的です。
この大切な社会化期に、親猫や兄弟と過ごせる環境は、子猫の健やかな成長に欠かせません。そのため、猫を迎える際は、ブリーダーから直接引き取ることをおすすめします。
この大切な社会化期に、親猫や兄弟と過ごせる環境は、子猫の健やかな成長に欠かせません。そのため、猫を迎える際は、ブリーダーから直接引き取ることをおすすめします。
社会化期が過ぎていても社会化は可能
お迎え先がブリーダーであれペットショップであれ、子猫は社会化期を終えています。しかし、社会化期が過ぎているからといって、社会化が不可能というわけではありません。
新しい家庭や環境での経験、刺激によって猫の社会性を向上させることはできるので、お迎え後に社会化トレーニングをおこなうことが大切です。
新しい家庭や環境での経験、刺激によって猫の社会性を向上させることはできるので、お迎え後に社会化トレーニングをおこなうことが大切です。
猫の社会化トレーニング
猫は、環境の変化に敏感な動物です。急激な変化によるストレスで体調を崩すこともあるため、猫の反応を見ながら段階的に慣れさせましょう。
環境に慣れさせる
家の中にあるもの
まずは、飼い主が日常的に使用するものに徐々に慣れさせます。
猫の聴覚は人間の3倍ともいわれており、テレビや掃除機、洗濯機、ドライヤーなど大きな音が出たり動いたりするものが苦手です。最初は音の発生源から離れた場所で音を聞かせ、少しずつ距離を縮めていくのがよいでしょう。
猫は嗅覚も鋭いため、においがストレスになる可能性もあります。香水や芳香剤など、においが強いものを猫が過ごす部屋で使用するのは避けたほうがよいでしょう。
猫の聴覚は人間の3倍ともいわれており、テレビや掃除機、洗濯機、ドライヤーなど大きな音が出たり動いたりするものが苦手です。最初は音の発生源から離れた場所で音を聞かせ、少しずつ距離を縮めていくのがよいでしょう。
猫は嗅覚も鋭いため、においがストレスになる可能性もあります。香水や芳香剤など、においが強いものを猫が過ごす部屋で使用するのは避けたほうがよいでしょう。
狭い場所や高い場所を生かす
猫が安心できる場所を作ることは、社会化トレーニング中でも必要です。猫は暗くて狭い場所を好むため、家具の隙間を活用したり、体がぴったり収まるクレートやペットハウスを設置したりするなど、くつろげるスペースを用意してあげるとよいでしょう。
また、猫は高い所が好きなので、空間に高低差を設けるのもポイントです。キャットタワーや棚などを使って、探索する遊びを促してあげてください。
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また、猫は高い所が好きなので、空間に高低差を設けるのもポイントです。キャットタワーや棚などを使って、探索する遊びを促してあげてください。
人に慣れさせる
飼い主や家族だけでなく、友人、動物病院の獣医師や看護師など、さまざまな人と触れ合う機会をつくりましょう。
ただし、猫によってはあまり人に慣れない性格の子もいます。それを受け入れたうえで進めることが重要です。成猫の場合はとくに慎重に対応するようにしましょう。
大きな声を出したり、いきなり触ったりすると猫が驚いてしまうため、穏やかなトーンで話しかけ、少しずつ触れるのがコツです。猫が自分から近寄ってきたときに撫でるなど、猫のペースに合わせて接触しましょう。
慣れてきたら、おやつを使ってよい印象を与えるのも効果的です。
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慣れてきたら、おやつを使ってよい印象を与えるのも効果的です。
触れるものに慣れさせる
ブラシや爪切り、キャリーバッグなど、猫が日常的に触れるものに慣れさせることも重要です。日々のケアや病院に連れて行く際など、慣れていることでストレスを軽減することができます。
ケア用品
ブラッシングや爪切りは、最初のうちは短時間で軽く触れる程度にとどめます。徐々に時間を延ばし、少しずつ慣れさせるようにしましょう。
おやつを使って、肯定的な印象を与えるのもポイントです。
おやつを使って、肯定的な印象を与えるのもポイントです。
キャリーバッグ
猫は見慣れないものに対して警戒心を抱きやすいため、キャリーバッグは日常的に出しておきます。使い慣れたタオルなどを入れ、安心できる場所だと認識させるようにしましょう。
体験に慣れさせる
猫は慣れない場所が苦手で、脱走のリスクもあるため不用意な外出はおすすめできません。ただし、通院や帰省など、やむを得ない移動が頻繁にある場合は、事前に慣れさせておく必要があります。
キャリーバッグに慣れていることを確認したうえで、中に入れて外出してみましょう。
車の音や人の動きなどを遠くから見せて、徐々に外の刺激に慣らしていきます。車に乗せる際は、最初はエンジンをかけていない車に乗せるところからスタートするとよいでしょう。
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社会化の失敗を防ぐためのポイント
猫にとっても飼い主にとっても、今後の暮らしやすさを左右する社会化トレーニング。失敗を防ぐコツはあるのでしょうか。
猫のペースに合わせる
もっとも重要なのは、猫のペースに合わせること。社会化を急ぎすぎると、ストレスや不安を感じさせてしまいます。
順応するスピードには個体差があるため、猫の反応をよく観察しながら進めていきましょう。
順応するスピードには個体差があるため、猫の反応をよく観察しながら進めていきましょう。
無理に接触を強要しない
人との触れ合いは大切ですが、単純に機会が多ければよいというわけではありません。とくに、人やほかの動物に慣れさせる際は、無理に抱っこしたり接触させたりしないように気を付けましょう。
触れ合う際の主導権は猫に握らせ、自ら興味を示しはじめるまで待つのが効果的です。猫の扱いに慣れていない人には、どのように接してほしいかを伝えておくと安心です。
触れ合う際の主導権は猫に握らせ、自ら興味を示しはじめるまで待つのが効果的です。猫の扱いに慣れていない人には、どのように接してほしいかを伝えておくと安心です。
恐怖体験を避ける
社会化の過程での恐怖体験は、その後の行動に影響を与える可能性があります。社会化を促すためには、猫に安心感を持たせるように配慮することも大切です。
怒ったりたたいたりといった行動はもちろん、猫が驚くような強い刺激や恐怖を感じる体験をさせないように注意しましょう。
怒ったりたたいたりといった行動はもちろん、猫が驚くような強い刺激や恐怖を感じる体験をさせないように注意しましょう。
猫の個性を尊重する
人の性格がさまざまあるように、猫の性格も一頭ずつ異なるものです。人懐こい性格の子もいれば、内向的で控えめな子もいます。
社交性を育もうと無理を強いると、嫌な体験として記憶に残ってしまう場合もあるので、猫の個性に応じた社会化トレーニングを取り入れてあげましょう。
社交性を育もうと無理を強いると、嫌な体験として記憶に残ってしまう場合もあるので、猫の個性に応じた社会化トレーニングを取り入れてあげましょう。
適切な環境作り
社会化を進めるうえでは、猫にとって快適な環境を整えることも大切です。たとえば、見えにくい隠れ場所を確保しておくことは、猫が疲れたときに逃げ込める場所になります。
高い場所や狭い場所など、誰にも邪魔されずに安心して過ごせるスペースを用意してあげましょう。
高い場所や狭い場所など、誰にも邪魔されずに安心して過ごせるスペースを用意してあげましょう。
社会化は継続が大切
社会化は、日々の積み重ねが重要です。新しい体験や人との接触などは、継続しておこなうようにしましょう。
社会化に時間がかかっている猫でも、日常的に触れ合うことで不安を減らし、徐々に良好な関係を築いていけるようになります。
社会化に時間がかかっている猫でも、日常的に触れ合うことで不安を減らし、徐々に良好な関係を築いていけるようになります。
まとめ
社会化期にたくさんの“はじめて”を経験することで、猫は人間社会で幸せに暮らすことができるようになります。猫の社会化期は生後2~7週齢とされますが、この時期を過ぎたからといって社会化ができないというわけではありません。猫の心は変化し続けるので、お迎え後はできるだけ早く社会化トレーニングをおこないましょう。
また、思い通りに社会化が進まないことがあっても、焦りは禁物。猫のペースに合わせて徐々に進めてくださいね。
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