子猫ちゃんの癒される写真や動画などでなく申し訳ないのですが(今後アップさせていただきます^^)、私のブリーディングしているスコティッシュフォールドにつきまして現在知っていただきたいことなどを書かせていただきます。
私の所属するTICA(アメリカに本部がある世界的な猫の血統登録機関です)のスコティッシュフォールドのブリードコミッティ(TICAでスコティッシュをブリーディングしたり、オーナーや愛好家である人たちがスタンダードについて勉強したり、猫種の品質が向上するよう努める委員会のようなものです)から少し前に注意喚起がありました。
世界的に見てスコティッシュのブリーディングが排他される地域が増えていること、なぜそういったことが増えているのかといった経緯、これから愛すべきスコティッシュのブリードを消滅させないようにするため私たち(主にスコティッシュのブリーダー)がどのようにしていくべきかということについてです。
同時に、アメリカでスコティッシュを現在に至るまで27年間ブリードし、医師(人間のお医者様です)でもあるCFAのジャッジさんが、ズームセミナーにて「Scottish Fold Master Class」といった科学的医学的観点から見たブリードセミナーを開催してくださいました。
まず、スコティッシュフォールドは必ず片親がストレート(立ち耳)、または、アウトクロスが認められているブリティッシュショートヘア(またはロングヘア)、アメリカンショートヘアでなければならないということはご存知の方も多いと思います。
ブリードコミッティの委員長は、まずブリーディングをする親猫全頭のフォールド因子の遺伝子検査を強く勧めています。
遺伝子のお話になりますが、スコティッシュフォールドの耳が折れる遺伝子をSF、その因子を持っていない場合はN(No)表記になりますので、スコティッシュストレートはN/N(対となる遺伝子が両方ともN)でなければなりません。
そして、もうひとつはスコティッシュフォールドはN/SFという遺伝子を持っていること(例えば折れ耳同士の交配で生まれた子はSF/SFというFoldのより強い遺伝子を持っている可能性があるからです)が大事となります。
ですので、両親猫はN/SF × N/Nか、N/N × N/N(ストレート同士)の交配でなければならない、SFという遺伝子は両親の遺伝子の中でも最大で一つでなければなりません。
今まで私のキャッテリーは出自がはっきりとしている親猫ばかりのため、ストレートのN/Nという遺伝子を確認し万が一にも折れ耳同士との掛け合わせとなることがないよう、ストレートのみフォールド因子の検査をしておりましたが、今回のブリードコミッティの委員長の呼びかけでフォールドの子たちも遺伝子検査を進めることにいたしました。



TICAのブリードコミッティはいずれこういった情報を血統書上に紐付けることができないかも検討しているそうです。
本来はスコティッシュのブリーディング自体とても注意が必要なものであるにも関わらず、スコティッシュとの交配によるデザイナーブリードが増えている現状などから子猫時に去勢避妊をした上での譲渡が望ましいとも伝えられましが、早期避妊手術が可能な動物病院さんが日本では少ない現状のため、私のキャッテリーでは引き続き避妊去勢手術をしていただくことを条件にオーナーさまを募集させていただきます。
スコティッシュフォールドの耳が折れること自体が病気ではないかと言われる方がいらっしゃるのはもちろん理解できます。
ただ、フォールドの子たち全員が病気を患い苦しい思いをしているでしょうか?
うちのフォールドの子たちは毎年、レントゲンで骨の状態を確認しておりますが、今のところ異常はありません。
(レントゲン写真をご覧いただくことも可能です)
スコティッシュが大好きで、ブリードがより良くなるよう努めているブリーダー、またそういった子を愛してくださるオーナーさま方が多くいることを知っていただきたいと強く思います。
私はスコティッシュのブリーディングを始めてまだ10年弱ですが、ブリーディングを続けていく間にもスコティッシュがどんどん好きになっていきました。
ブログ記事を書いている今も隣にはブリーディングを始めて間もない頃に生まれた子が寄り添って寝ています。

このような長文を読んでくださる方がいるかしら、と心配ですが、スコティッシュのブリードがより良いものとなるよう、道が閉ざされることのないよう、僭越ながら発信させていただきます。