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オリエンタルショートヘアの特徴

オリエンタルショートヘアが生まれたのは、1950年代のアメリカです。この時代には、大戦の影響により激減した「シャム」の保存を目的として、ブリティッシュショートヘアやアビシニアン、ロシアンブルーといった猫との交雑が進められていました。
やがて、シャムによく似ているがポイントを持たない子猫が生まれ、「フォーリンショートヘア」と呼ばれるようになります。このポイントのないシャムが、現代のオリエンタルショートヘアの基礎になっています。

その名の通り、短毛であることがオリエンタルショートヘアの条件とされていましたが、繁殖の過程でセミロングの毛並みを持つ個体が生まれることがあります。近年は“規格外”とされてきたセミロングのオリエンタルショートヘアですが、近年では長毛タイプでも猫種として認めるケースも増えています。

オリエンタルショートヘアは、小さな頭に不釣り合いなほど大きな耳、ゆるやかにつり上がった大きな瞳が特徴です。
体格は「オリエンタルタイプ」に分類され、ほっそりした手足とボディがスタイリッシュな印象を与えます。標準的な体重は3～6kgで、小さすぎず大きすぎずの標準的なサイズです。

“シャムから生まれたポイントを持たない猫”であるオリエンタルショートヘア。その毛色のバリエーションは非常に豊富で、一説によると280パターンを超えるといわれています。ソリッドカラー（単色）やバイカラー、縞模様と、柄も非常に豊富です。
毛質は滑らかな短毛で、サテンにたとえられるほど美しいツヤがあります。長毛タイプの場合は、シルクのようにやわらかく、ほどよい長さの毛並みになります。
毛の色と同様に、目の色もさまざまなバリエーションが認められており、ゴールド、ブルー、アンバー、グリーンとさまざまです。

オリエンタルショートヘアの性格

シャムの血を引くオリエンタルショートヘアは、外見だけでなく気質でも似たような性質を受け継いでいます。
特徴的なのは、とても人懐こく甘えん坊ということ。シャムも十分甘えん坊な部類に入りますが、オリエンタルショートヘアはより分かりやすく飼い主さんに甘えます。構ってほしいがために、飼い主さんの作業を邪魔することもしばしば。かわいい猫とは常に一緒にいたいと考える人にはうってつけの猫でしょう。

ちなみに、オリエンタルショートヘアは「愛情を独り占めしたい！」という嫉妬深いタイプではありません。とても明るく社交的で、フレンドリーな性格の持ち主です。もちろんほかの猫とも仲良くできるので、多頭飼いや犬との同居も問題ないでしょう。

また、オリエンタルショートヘアは非常に活発な面も持ち合わせています。運動能力が高く、体を動かして遊ぶのも大好きです。
高いところに上るのはもちろん、飼い主さんと猫じゃらしなどで一緒に遊ぶことも好みます。時には、犬のように子どもの遊び相手になってくれることも。小さなお子さんがいるご家庭でも、オリエンタルショートヘアとの生活は楽しいものになるでしょう。

猫の性格はオスとメスでは若干異なる場合があります。一般的に、オスの猫はメスよりも甘えん坊で、好奇心旺盛な性格といわれています。一方のメスは、忍耐強く自立心に富んでいる傾向です。
猫種としての性格に加えて、オス・メスごとの性質も踏まえたうえで、お迎えする子猫を決めるのがいいでしょう。

オリエンタルショートヘアの飼い方

クールで神秘的な容貌と、明るく人懐こい性格が魅力のオリエンタルショートヘア。ファミリーや多頭飼いでもOKの飼いやすい猫です。


食事のポイント筋肉質でスリムな体型を維持するためには、毎日の食事に気を配る必要があります。1日に必要な量を4～6回に分けて与え、バランスのよい食事を心がけましょう。
市販のフードを選ぶときには、「低カロリー高タンパク、かつ必要な栄養素が含まれている」「猫が食べやすいサイズ」「嗜好性が高い」という点をチェックします。
フードにはドライタイプとウェットタイプがありますが、栄養素と嗜好性のバランスをとる意味では、それぞれ組み合わせて与えるのがベストです。

必要な運動量、おすすめの遊ばせ方無駄な肉をそぎ落としたようなスリム体型が美しいオリエンタルショートヘア。その見た目通り、猫のなかでも抜群の運動神経を誇ります。
室内飼いの場合、運動不足がストレスや肥満の原因になってしまうことも。猫がいつでも運動できるよう、高さのあるキャットタワーやはしごを設置するのがおすすめです。部屋が狭くて困っているという人には、省スペースタイプのタワーも販売されています。

お手入れ方法短毛タイプのオリエンタルショートヘアは、長毛種ほどお手入れの手間がかかりません。ブラッシングは1日1回程度、ラバーブラシや獣毛ブラシで全身をマッサージするように毛並みを整えます。

猫は自分で毛づくろい（セルフグルーミング）をおこなうため、頻繁にシャンプーする必要はありませんが、ニオイや汚れが気になるときは軽く洗ってあげても問題ありません。
猫用のシャンプーを用意し、優しく全身を泡立てるように洗い上げます。すすぎはぬるま湯で、シャンプーが残らないように洗い流しましょう。
“洗い過ぎ”はかえって病気やストレスの原因になるので、多くても月1回を目安としてください。

オリエンタルショートヘアの寿命

一般的に、猫の寿命は14～15年といわれていますが、オリエンタルショートヘアの場合は平均寿命でだいたい12～15年です。猫全体の寿命と比べると、やや短めか平均程度といったところでしょう。
猫の寿命には個体差がありますが、純血種でも20年を超えて長生きする猫もいます。猫を取り巻く状況の変化から、以前と比べると長寿の猫も増えており、いかに健康的な生活を送らせられるかがカギとなっています。

健康の基本は、適切な食事と運動です。飼い猫の主食はキャットフードであることが多いですが、猫に必要な栄養素を含むバランスのよいもの、また余計な添加物を含まない安全性の高いものを選ぶとよいでしょう。
またオリエンタルショートヘアの健康維持のためには、運動もとても大切。先ほど飼い方でも説明した通り、猫が好きなときに思う存分運動ができる環境を整えてあげてくださいね。

オリエンタルショートヘアの気を付けたい病気

猫には遺伝的要因により、かかりやすいとされる疾患や病気があります。シャムの血を引き継ぐオリエンタルショートヘアは「大動脈狭窄症」や「アミロイド症（アミロイドーシス）」といった疾患に要注意です。

「大動脈狭窄症」は、体の中でもっとも大きな血管である大動脈に異常が起こる病気です。大動脈には、肺から心臓に入った血液を全身に送り出す役割がありますが、この病気にかかると大動脈の一部が細くなり（狭窄）、血の流れが悪くなります。その結果、元気の低下や疲れやすいといった症状につながります。
比較的軽度であれば投薬治療で、重度であると認められる場合は、外科手術が必要となります。

「アミロイド症」は別名「アミロイドーシス」と呼ばれる病気で、猫の臓器に機能障害を引き起こします。猫の場合、腎臓にアミロイドが沈着する「腎アミロイドーシス」や、肝臓に沈着する「肝アミロイドーシス」が多いとされています。
症状としては、食欲不振、元気消失、進行するとアミロイドが沈着した臓器の働きが低下し、ネフローゼ症候群（腎臓の炎症の一種）や黄疸、肝臓出血による貧血が見られることもあります。