以下、一般的にはまだまだ知られていない動物愛護管理法を一部ご紹介しながら周知させていただきます。
まず、猫は『動物愛護管理法第44条第4項』の定義で「家畜(一号動物)」とされており、全ての飼養者が、法に適った適正飼養を行っていれば野良猫は存在していません。

猫はその生態ゆえ、犬とは違って擦り抜け名人です。
行楽目的のリード、カート、キャリーなどは十分な逸走防止にならず「逸走防止義務違反」=不適正飼養にあたります。
次に、猫は本来習性の観点からは完全肉食動物です。また極めてハンティング能力の高い動物です。分類では侵略的外来種となります。
飼い主様の多くは、お部屋の中でもTVや窓の外の小動物に反応して「カカカカカ」とクラッキングする行動を目にしたことがあると思います。
それまで外の世界を知らない猫でも、捕食対象の小動物を見れば、本能的に襲いたくなってしまう習性がありお散歩途中に万一、昆虫などを捕まえてしまったとしたら、それはれっきとした「生態系保全義務違反」=不適正飼養にあたります。
それだけでなく生理的な面では、野良猫が存在している地域などでは異性を巡った争いに巻き込まれたり、例え猫同士の直接接触が無くても思わぬ感染症に罹患してしまう恐れのある「動物の健康と安全の保持義務違反」=不適正飼養にあたります。
更に、糞尿始末が不完全であれば「他人への危害や迷惑防止義務違反」=不適正飼養にあたりますし、5人に1人は持っていると言われる猫アレルギーのアレルゲンを公衆の場等で飛散させること、猫由来の感染症を他人の飼い猫に伝搬させることなども「感染症予防義務違反」=不適正飼養にあたります。
外の生活が長かった保護猫の中には、野外に執着しパトロールに出かけたがって落ち着かない猫も少なくないそうです。そういう意味でも、外の世界は窓から見える範囲だけにしておく方が良いです。大切な家族であるペットだからこそ、他への危害・迷惑防止の観点ひとつを取っても、猫は室内での適正飼養に努めていただけるようここに記します。
私たち動物取扱責任者はこうしたことの啓発を行い一人でも多くの猫の飼い主様に適正飼養の推進を周知しなければならない立場から周知徹底を行っています。故に飼い猫の外出は好ましくないと考えます。
昨今では、リードに繋いで猫を散歩させたりカートやキャリーに乗せて猫とお出かけする様子を紹介している画像や動画をSNS等でよく見かけますが、法で決められた適正飼養を今一度、見直していただければ幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。