
この骨軟骨異形成症(OCD)はスコティッシュフォールドやマンチカン、それにペルシャやアメリカンカール等
身体の一部が変形している猫種に多く見られます。
丸いお顔で、お耳が折れて、独特の座り方(スコ座り)をするスコティッシュフォールド。
なんとも言えない可愛さで、現在愛好家も多数居られる猫種です。
それにマンチカン、猫ちゃんのダックスフントと言われるように足が短く、その歩く姿や立ち姿は本当に可愛いですね。
この猫ちゃんも、ファンが多く可愛さは最高です。
又、ヒマラヤンの様なお鼻が短く、なんとも言えない可愛いお顔の猫ちゃん。
彼ら彼女らの特徴は、ごく普通の猫ちゃんからすれば、その形は特殊なかたちをしていますね。
話しは、骨軟骨異形成症(OCD)の遺伝性疾患に戻ります。
この漢字を見て頂ければ、どの様な症状か分かるかと思います。
骨、軟骨が異なった形に成る遺伝性の疾患です。
品種標準として固定されている「短足」「鼻ペチャ」「耳折れ」は全て遺伝です。
マンチカンの短足は常染色体優性遺伝、ペルシャの鼻ペチャはいまだ不明です。
スコティッシュフォールドの耳折れは不完全優性遺伝だと推測されています。
優性遺伝とは、可成り症状が表に出やすい遺伝です。(これに対し遺伝子はあるが表に出にくいのが劣性遺伝)
これは、遺伝的にお耳の軟骨が成長せず、生まれた時と同じように頭にくっついた状態で
成長し、より真ん丸なお顔の表現が可愛さを倍増しています。
しかし、関節等に骨瘤が出来可成り痛みも伴うようです。
足を投げ出した「スコ座り」はその恰好が本当に可愛いですが、普通の座り方では痛みが有り、
出来ないと考えられています。
そして、重度に成ると走るのもジャンプするのも、歩くだけでも痛みが生じると言われております。
この様な奇形猫の繁殖はヨーロッパの愛猫協会(FIFEやGUUF)では虐待繁殖として禁止されています。
ただ可愛いだけ、ただ人気が有るからだけで、繁殖するのも求められるのも如何なものかと感じて成りません。
日本の愛猫家の皆様のお考えはどの様な判断でしょうか?

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アメリカに本部を置くACFA(American Cat Fanciers Association) に籍を置き、30年以上「ロシアンブルー」一筋にブリーディングを行なっております。
ロシアンブルーをこよなく愛し、スタンダードを理解し、一人でも多くロシアンブルーのファンシャーが増える事を願って居ります。
ブリーディングにあたっては、衛生面・健康面は言うまでも無く、スタンダードを理解しより上質な世界に通用する「ロシアンブルー」を作出出来る様、日々研鑽しております。
ビロードの様な手触り、輝くプラチナシルバー(ブルー)の光沢、眼色は南の珊瑚礁の海の色の様なエメラルドグリーン。
触れても、眺めても全く飽きない素晴しい家猫です。
鳴き声も殆ど無く、遊びも大好きで素晴しい伴侶と成れる事を確信しております。
私共猫舎では、ブリーダー様へも血液(血統)の流出を逆に推し進めております。
お互い切磋琢磨しなければ、より良い世界に通じるロシアンブルーが作出できないと考えております。
これからも、国内外を問わず、より良い血液(血統)を求めて行く所存です。
又、最近ご縁があり、セルカークレックス、トンキニーズ、ベンガルのブリーディングも手掛ける事に成りました
乱繁殖をされるようなブリーダー様へのお譲りは出来ません。
家猫として、室内飼育が出来ない人にもお譲りは出来かねます。
又、猫アレルギーのお持ちの方、疑いがある方にもお譲りできません。
*お問い合わせに付きましては、ご家族様全員の同意のうえ、
又、猫アレルギーの心配の無い方に限らせて頂きます。
※ご注意ください
最近、PCCと称する血統書発行団体が出来た様ですが、私共所属の「ポラリス キャット クラブ(PCC)」とは、アルファベットの頭文字は同じですが、何ら関係がありません。私共の「ポラリス キャット クラブ」は発足から30年以上経ち、アメリカの正式名称:American Cat Fanciers Association Inc. (ACFA)の公認組織です。
お間違えに成らない様御注意ください。(ACFAは1955年に創設された歴史ある協会です)
又、子猫によりCFAナンバー、TICAナンバー及び血統書取得も可能です。