
この疾患はどの様な症状なのでしょうね。
両側の腎臓に嚢胞が無数に生じる、遺伝性疾患。多発性嚢胞腎(Polycystic Kidney)には、常染色体優性多発性嚢胞腎(Autosomal Dominant Polycystic Kidney Disease:ADPKD)と常染色体劣性多発性嚢胞腎(Autosomal Recessive Polycystic Kidney Disease:ARPKD)とがある。
ADPKDの原因遺伝子は2つあり(PKD1、PKD2)、各々蛋白としてPolycystin1(PC1)とPolycystin2(PC2)をコードしている。ADPKD患者の約85%がPKD1の遺伝子変異が原因で、残り約15%ではPKD2遺伝子変異が原因である。PKD1はPKD2より一般に臨床症状が重いが、同じ家系でも個人差が大きく。ARPKDの原因遺伝子は1つ(PKHD1)であり、Fibrocystin、Polyductinをコードしている。
症状として、肉眼的血尿(31%)、側腹部・背部痛(30%)、易疲労感(9%)、腹部腫瘤(8%)、発熱(7%)、浮腫(6%)、頭痛(5%)、嘔気(5%)、腹部膨満(4%)があり、無症状でも家族に多発性嚢胞腎患者がいる(11%)との理由で診断されます。最近では、健診でのエコー等で診断されることも多くなっている。
根本的な治療法は有りません。進行を遅らせる治療として、バゾプレッシンV2受容体拮抗薬であるトルバプタンが有効。嚢胞増大を助長するとされるバゾプレッシンの作用を抑制するものであり、世界的な臨床試験において腎嚢胞の増大と腎機能の低下をプラセボと比較し有意に抑制することが報告された。また、多くの患者で高血圧を合併する。降圧治療が腎機能に対して、明らかな有効性は示されていないが、合併頻度の高い脳動脈瘤破裂など頭蓋内出血の危険因子を低下させることや心血管合併症の予防には有効と考えられている。透析に至った患者の腹部膨満を緩和する方法として、両側腎動脈塞栓術が行われ、良好な結果が得られている。
以上は、厚生労働省の記載参照(人間)難病指定。猫ちゃんもほゞ同一。
猫ちゃんの場合日本国内では、罹患率の調査が始まったばかりですが、ネコ1000頭に1頭の割合で多発性嚢胞腎をもつと推測されています。
この「多発性囊胞腎症(PKD)」は優性遺伝ですので、片親がこの遺伝子を持っていれば、その子供は50%の確立で、程度さえあれ発症します。
「多発性嚢胞腎症」の多発猫種のブリーダーや、飼い主様は遺伝子検査をなさるべきでしょう。

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アメリカに本部を置くACFA(American Cat Fanciers Association) に籍を置き、30年以上「ロシアンブルー」一筋にブリーディングを行なっております。
ロシアンブルーをこよなく愛し、スタンダードを理解し、一人でも多くロシアンブルーのファンシャーが増える事を願って居ります。
ブリーディングにあたっては、衛生面・健康面は言うまでも無く、スタンダードを理解しより上質な世界に通用する「ロシアンブルー」を作出出来る様、日々研鑽しております。
ビロードの様な手触り、輝くプラチナシルバー(ブルー)の光沢、眼色は南の珊瑚礁の海の色の様なエメラルドグリーン。
触れても、眺めても全く飽きない素晴しい家猫です。
鳴き声も殆ど無く、遊びも大好きで素晴しい伴侶と成れる事を確信しております。
私共猫舎では、ブリーダー様へも血液(血統)の流出を逆に推し進めております。
お互い切磋琢磨しなければ、より良い世界に通じるロシアンブルーが作出できないと考えております。
これからも、国内外を問わず、より良い血液(血統)を求めて行く所存です。
又、最近ご縁があり、セルカークレックス、トンキニーズ、ベンガルのブリーディングも手掛ける事に成りました
乱繁殖をされるようなブリーダー様へのお譲りは出来ません。
家猫として、室内飼育が出来ない人にもお譲りは出来かねます。
又、猫アレルギーのお持ちの方、疑いがある方にもお譲りできません。
*お問い合わせに付きましては、ご家族様全員の同意のうえ、
又、猫アレルギーの心配の無い方に限らせて頂きます。
※ご注意ください
最近、PCCと称する血統書発行団体が出来た様ですが、私共所属の「ポラリス キャット クラブ(PCC)」とは、アルファベットの頭文字は同じですが、何ら関係がありません。私共の「ポラリス キャット クラブ」は発足から30年以上経ち、アメリカの正式名称:American Cat Fanciers Association Inc. (ACFA)の公認組織です。
お間違えに成らない様御注意ください。(ACFAは1955年に創設された歴史ある協会です)
又、子猫によりCFAナンバー、TICAナンバー及び血統書取得も可能です。